就職のしやすさ、もしくは内定の取りやすさに反映されるのが有効求人倍率です。大阪府では、介護士を含む介護職の有効求人倍率は2019年時点で5.7倍となっています。これは、全国平均の4.45倍から比べると非常に高い数字となっています。有効求人倍率は、数字が高いほどニーズが高く、人材が足りない状況を示しています。大阪府のこの数字は、全国の中ではトップ5に入るもので、介護士の数が足りず多くの事業所で求人を出しているという状況が見られるのです。

もともと大阪府は幅広い業界で有効求人倍率が高い状況ではありますが、介護業界でもその傾向が強く見られます。やはり、大阪市を中心とするエリアには人口が集中しており、そもそもの介護ニーズが大きいからでしょう。しかし、介護サービス提供者の数は少なく、訪問介護の分野でも施設介護においても需要に見合っていないのが事実です。要介護者の人数は東京都に次いで、全国2位となっていて、これからもその人数は増えるでしょう。そうなると、なかなか有効求人倍率が下がることは考えにくくなります。

もう一つのポイントは、介護士を含めた介護人材の離職率が高いという点が挙げられます。離職率については全国でもかなり高い割合となっていて、実に17パーセント程度です。人材が不足していて、現場での負担が大きくなっていることも関係していると考えられるでしょう。仕事を見つけやすい一方で、職場探しをする時には長く働き続けられるのかを考えることが重要になってきます。長期的に働ける職場づくりのためにも、大阪府の介護士の現状も知っておくことが大切でしょう。